2023年1月に発売されたTruthearのイヤホンHOLAのレビューです。
優れたコストパフォーマンスが有名な同社ですが、HOLAもその期待に答えてくれるのでしょうか。
概要
Truthearは2022年に設立されたイヤホン・ヘッドホンの製造を専門とする中国企業のブランドです。
同年8月に「ZERO初」、「ZERO RED」、「HEXA」の3製品を国内発売したのを皮切りにその後も比較的コストパフォーマンスに優れた機種を多く生み出しています。
「二次元文化からインスピレーションを受け、個性的でユニークな魅力に溢れた製品を想像している」などと主張しているようですが…?
ああ!これはこれは二次元文化さんこんにちは。
中華イヤホンに色々手を出している人からすると今更驚くほどでもありませんが、可愛らしい女性キャラの絵がパッケージに描かれていますね。今までどうしてこういうアニメタッチの絵をパッケージに採用するのか謎だったのですが、同社に関してはインスピレーションを受けているとのことなので、納得です。このうさみみキャラクターをイメージした音色になっているということでしょうかね。
パッケージ裏側。
周波数特性のグラフとスペックが記載してあります。私は小難しいことはわかりません。
はい、ということで本体です。
パッケージの可愛らしい雰囲気から打って変わって、フェイスプレートは黒に白い点線で幾何学的な模様が描かれています…。これは音色をイメージしたもの?だとすると、あの女の子にインスピレーションを刺激されて、音色を考えて、それを図柄に抽象化するとこうなるの…?いやいや…。
薄いアルミのような金属のプレートに印刷したものが貼り付けられているようです。少々安っぽい感じは否めませんね。
裏側です。
筐体は3Dプリントで作られているとのことですが、マットな質感はそれを感じさせません。ノズルまで一体的に整形されており、フィルター部のみが金属となっています。ベントらしき穴が2箇所空いているのが見えますね。
コネクタ部
低価格帯には珍しいと思うのですが、なんと埋込み型の2Pinです。接合部に深さがある分、単にPinだけで支えるフラット型よりも、剛性に優れます。これは嬉しいポイントかもしれませんね。
コネクタ部横、見えにくいかもしれませんが、LRの表記があります。初心者のかたでも間違えずに接続できますね。
付属品の2Pinケーブルです。
艶のある感じの被膜で、高級感はありませんがそれほど安っぽくもありません。こんな見た目ですが意外と絡まりにくく性能的には優秀かなと思います。
バランス接続に変えちゃいました。へへ。
視聴レビュー
長所・短所
高域
高域はかなり控えめな調整なのか、刺さりはおろか伸びも全く感じられません。聞きづかれしにくいといえば聞こえはいいのですが、あまりに角が丸くなっており聞いていて楽しくありません。ハイハットの音はほぼ聞こえませんし、バイオリンやギターの倍音もしかりです。
中域
本イヤホンで一番目立つ帯域です。高域が削られている関係か、解像度の高さは感じられにくいですが、決して再生能力は低くありません。ボーカルホンとしては優秀かな。
低域
低音の量は標準的ですが、ややボワ付きを感じます。もう少しタイトに鳴ってくれる方が私は好みです。が、このチューニングがこの後の音場に活きてきているのかもしれません。
音場
音場は前後左右とも標準よりやや広く感じます。この価格帯だとおそらく空間表現能力は飛び出ているんではないですかね。頭の中で音楽が流れるというよりも、自分の前にミュージシャンが立って演奏してくれているように聞こえます。
うーん、これ、ホント、高域の角をもう少し尖らせてくれていたら、クラシック用途の入門イヤホンに最適なんですけど…!E3000なんかと肩を並べられたかもしれません。
遮音性
一般的なイヤモニ形状のイヤホンですので、遮音性は標準的です。
装着感
筐体が非常に薄く軽量のため装着感は良好です。刺激控えめのチューニングなので、寝ホンに最適じゃないですかね。
まとめ
ネット上ではかなり高い評価を得ているイヤホンですので、私も楽しみに購入したのですが高域の表現があまりに優しすぎて自分の好みからは少し外れていました。とはいえ、空間表現は目を見張るものがあり、この価格帯でこれだけ広い音場を感じさせてくれるのはこのイヤホンぐらいに思えます。疲れにくいチューニング、空間表現能力の高さという特徴からFPS等ゲーム用途に向いていたりするかも。