final E1000

イヤホン

 皆さまはじめまして。本サイトでは、イヤホンのレビューを中心に、様々な記事を掲載していく予定です。

本サイト記念すべき1回目の記事はfinal社のエントリーモデル、E1000を見ていきます。よろしければ最後までお付き合いください。

finalとはどんな会社?

 finalは神奈川県川崎市に本社を構える日本のイヤホン・ヘッドホンメーカーです。2007年にアメリカのモレックスの子会社として会社設立がされ(当初の名前はS’NEXT株式会社)、当時はスピーカーのOEM/ODM製造を主たる事業としていました。その後、2009年にイヤホン・ヘッドホンの製造を開始。このとき、イヤホンについてはOEM/ODMのみならず、自社ブランド「final audio design」として展開を行うことになり、このブランド名の「final」が現在は社名に形を変えています。会社の成り立ちとしては、いわゆるファクトリーブランドに近いのでしょうかね。


 社員数は50名未満と比較的小規模なのですが、なんと社員の半数以上を研究職が占めており、いわゆるブランディングよりも商品自体の性能向上に力を注いでいるメーカーといえるかもしれません。
 イヤホンに関する同社の商品展開は、2,000円〜200,000円と非常に幅広く種類豊富であり、様々な予算・用途に対応するラインナップが魅力です。

E1000について

 E1000の属するEシリーズには、E1000〜E5000まで1000番刻みで5つのモデルがラインナップされており、数字が大きくなるにつれて価格が上がります。本モデルはエントリークラスとして位置づけられており、オーディオ用途としてはfinal社の販売する商品の中で最も安価なモデルとなっています。


 Eシリーズで最初に発売されたのはE3000/E2000の2モデルで、これらもE1000同様エントリークラスとしての位置づけだったのですが、中高生を中心にもっと安価なモデルを発売してほしいと要望があり、それに応える形で本モデルが開発されたという経緯があるようです。

パッケージ

シンプルかつコンパクトなパッケージです。

裏面

付属しているイヤーピースであるType eのスウィングフィット機構の説明図が大きく載っています。

さて、中身とご対面です。
内容物はイヤホン本体とイヤーピースが5セットとなっています。

イヤーピースはつけ心地だけでなくて、音質に大きく影響しますので、これだけのサイズがあれば安心ですね。

筐体をアップでみてみます。プラスチック製のボディに社名とロゴが刻印されています。
価格的に仕方のないところではありますが、少々チープな印象を受けますね。

反対側には、モデル名と左右の刻印です。この刻印、見えづらいんですよねぇ…。デザイン性を重視しているのかもしれませんが、色や形で一目で分かるようにしてあると、良かったなぁと思います。
寝室等暗いところでの装着が難しい…。

ケーブルはE2000、E3000と比較して少し太めのものが使用されています。上述した開発経緯から、通勤通学でハードに使用されることを想定してでしょうか。多少乱暴に扱っても断線しにくそうですね。
プラグ形状は一般的な3.5mmです。L字になっているので、DAPやスマホに接続してポケットに入れてもかさばりにくいですし、折れる心配も少なくてすみますね。

開口部のアップです。フィルターは不織布が使用されていました。

視聴レビュー

長所・短所

長所
短所
  • 聞き疲れしないスムーズなチューニング
  • 非常に軽量な筐体
  • 太く絡みにくいケーブル
  • 標準でマイクモデル選択可能
  • イヤーピースが5サイズ付属
  • 上位モデルには同梱されるshure掛け用のイヤーフックが別売り
  • 筐体の刻印が見辛い
  • 筐体がややチープ

高域

3.0

 存在感を示しつつも、耳に刺さらないチューニングです。解像感を多少犠牲にしている感じはありますが、よい意味で音に丸さが感じられ、聞き心地の良さに繋がっています。

中域

3.5

 各楽器、ボーカルがバランスよく聞こえ、不自然な強調や他の音域によるマスキングは感じられず、良好です。個人的には弦楽器やボーカルに艶めきのあるチューニングが好みですが、これも高域に書いたのと同様、突き詰めると聞き心地とトレードオフになります。肩肘張らずに、ボーッときけるチューニング。これがE1000の魅力だと思います。

低域

2.5

 ボワつきや不自然な広がりはありませんが、量感的に不足していると感じます。バスドラムのキック音等、鳴っているのは認識できますが、パンチに欠け印象に残りません。

音場

2.0

 音場は前後左右とも少々手狭に感じられます。個人的に音場が広いもののほうが長時間使用しても疲れにくい印象があるため、ここは少し残念でした。

遮音性

3.0

 筐体が小さいですが、適切なサイズのイヤーピースを装着し、耳道にしっかりと押し込めばある程度の遮音効果は期待できます。もっとも、電車内等、周りの雑音が多い場合には、いわゆるイヤモニ型のイヤホンと比較して音量を上げる必要のある場面が出てくると思われます。

装着感

3.0

 小型の筐体で非常に軽く、装着感は良好です。聞き心地のよいチューニングから、寝ホンとしての利用を試みましたが、この用途としては少々筐体が大きいようで、横向き寝のときに辛いものがありました。寝ホン用途には後日レビューしますが、E3000/E2000シリーズのほうが良さそうです。

まとめ

 ということで、一発目のレビューは日本が誇るfinal社のE1000でした。非常に安価なモデルながら、引っかかりのないスムーズなチューニングは流石の一言です。私はこれ以外にも多数イヤホンを所有していますが、E1000はPC作業時に作業用BGMを聞く等、ながら聞きに最適で実は出番の多いイヤホンだったりします。ただ、その反面、これからイヤホンに興味を持って一歩踏み出してみようという方には、鳴り方に少々物足りなさを感じるかもしれませんね。

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